「誠実です」を連呼する人間ほど危ない──サナエトークン騒動が暴いた詐欺の構造

サナエトークン騒動が示した「誠実アピール」と詐欺の構造

世の中には、なぜ同じような詐欺案件が何度も繰り返されるのか。バリュー、ガクトコイン、そして今回のサナエトークン。名前を変え、物語を変え、広告塔を変えながら、同じ構造の“物語”が何度も再生産されている。今回の騒動を見ていると、改めて「詐欺の本質」が浮かび上がってくる。

「誠実に対応します」を連呼する人間ほど怪しい理由

サナエトークンの中心人物である溝口氏は、事あるごとに「誠実に対応します」「誠意をもって対応します」と繰り返している。しかし、本当に誠実な人間は自分から誠実だとは言わない。周りが勝手にあの人は誠実だと評価するだけ。「誠実アピール」は、詐欺の常套手段である。誠実さを言葉で補強しなければならない時点で、すでに誠実ではないという証明である。

「国が承認した」という物語の危うさ

今回のサナエトークンが広まった背景には
一国の首相が承認した
政府が動いている
既得権益が邪魔している
といった“物語”があった。だが、冷静に考えれば分かる。国のトップが、溝口自信が発言しているように無数にある得体の知れない仮想通貨を個別に承認するはずがない。無数にある得体の知れない仮想通貨の中からたった一つだけをすくい上げて特別扱いする訳がない。この「あり得ない物語」を信じてしまう心理こそ、詐欺師が最も巧みに利用するポイントだ。

なぜ人は詐欺トークンに引っかかるのか

これは学歴や知能の問題ではない。人間の普遍的な心理が利用される。

● 権威性バイアス

有名人や政治家が関わっているように見えると、信じてしまう。

● 希少性バイアス

「今だけ」「承認された唯一のトークン」などの言葉に弱い。

● FOMO(取り残される恐怖)

「みんな儲かっているらしい」という噂が最大の燃料になる。

● ストーリーの力

詐欺師は“物語”を作るのが上手い。「革命」「圧力」「闇に迫るメディア」など、刺激的な言葉で人を惹きつける。今回のサナエトークンも、この心理的構造を踏襲していた。

単なる広告塔は罪に問えないという現実

ベラジョン吉田、ビッグモーター佐藤、カブアンドさんま……。どんな案件でも、広告塔は「ただ台本を読んだだけ」で罪に問われない。今回も同じ構造だ。ホリエモンや青汁王子など、ただ頼まれて台本を読んだだけの人物に法的責任は及ばない。スピンドル、ガクトコインのガクトもそうだった。ただ広告塔を務めただけ。そう言って何事もなかったテイでのほほんと。詐欺師はこの“広告塔の無責任構造”を熟知している。だからこそ、次々と新しい案件が生まれる。

なぜ詐欺はなくならないのか

理由は単純だ。釣れるからである。バリューが潰れ、ガクトコインが潰れ、ほとぼりが冷めた頃にサナエトークンが現れた。そしてまたほとぼりが冷めれば、新たなクソコインが現われ、またバカが食いつく。同じ構造の物語が繰り返され、また一定数のバカが釣られていく。詐欺師が消えないのは、そういう口をパクパクさせて食いついていくバカがいつまで経っても消えないから。いつまで経ってもバカが詐欺師を求める需要があるからだ。

今回の騒動が教えてくれたこと

今回のサナエトークン騒動は、「自分は誠実です」と言う人間ほど信用してはいけない、という当たり前の教訓を改めて示した。そしてもう一つ。詐欺は“怪しい人間”がやるのではない。誠実そうに見せる人間、有名人著名人がやるということ。有名だからというだけで安心してしまうバカにはなってはいけません、ということ。

最後に

今回の件で損をした人は、「自分はバカだった」と自分を責める必要はない。詐欺は人間の心理を突くように設計されている。むしろ、今回の経験を授業料として、次に同じ構造の物語が現れた時に気づけるようになればいい。詐欺師は形を変えて何度でも現れる。だが、構造はいつも同じだ。


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