米イランが2週間の停戦で合意したにもかかわらず、イスラエル軍はレバノンの親イラン武装組織ヒズボラへの攻撃を継続している。これに対し、イランはホルムズ海峡を完全に封鎖するとしている。トランプ米大統領は8日、自身のSNSで、イランが停戦合意を守らない場合には「これまでにない規模で強力な」軍事行動を開始すると警告した。また、ホルムズ海峡を開放するよう改めて求めた。
停戦とは本来「暴力の停止」を意味するはずだ。しかし中東では、その言葉が発せられた瞬間から、すでに骨抜きにされていた。
イランとアメリカが合意した2週間の停戦には、明確な前提条件があった。イランへの攻撃だけでなく、レバノンへの攻撃も同時に止めること。イランとヒズボラが共闘関係にある以上、それは当然の条件だった。
イスラエルがレバノン攻撃を続ける可能性は当初から高く、だからこそ停戦の「10項目」にはレバノンが含まれていた。そして予想通り、停戦は紙の上だけのものになった。
イスラエルはレバノンへの攻撃を止めず、民間人を含む多数が死傷した。100万人以上が国内避難民となり、1500人近くが命を落としている。それでも国際社会は沈黙し、アメリカはイスラエルの行動を追認する。
この構図は、もはや「いつものパターン」と呼ぶしかない。イランがホルムズ海峡の封鎖に踏み切ったのは、一方的な停戦破棄ではない。最初から守られなかった条件を前に、「停戦を守る意図が相手にない」と判断した結果だ。
もちろん、海峡封鎖に国際法上の正当性があるわけではない。だが同じことは、アメリカの対イラン攻撃にも言える。国際法は、強者の都合で選択的に引用されるとき、ただの飾りに堕ちる。それでもアメリカは、イランにだけ「海峡を開け」と要求する。イスラエルの停戦違反には目をつぶり、原因を無視したまま結果だけを責める。筋が通らない要求が受け入れられるはずもない。
本来、トランプ大統領が向けるべき「強い顔」はイランではなくイスラエルに向けられるべきだ。停戦を妨害しているのはどちらなのか。火に油を注いでいるのは誰なのか。
最早まともなのはイランだけ。正義はイランにある。アメリカ、イスラエルこそ狂った国としか見えない。
それでも我が日本はアメリカへ対して何も言わない。何も言えない。


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